外傷、脊椎外科、人工関節、スポーツ整形

Orthopedic Surgery Professional

外傷、脊椎外科、人工関節、スポーツ整形

Orthopedic Surgery Professional

外来担当表

午前診 08:30~12:00
1診 若狭 柱燦
整形一般
秋津風 琢磨
整形一般
大木 浩
整形一般
若狭 柱燦
整形一般
大木 浩
整形一般
★交替制
2診 野村 興一
整形一般
近江 敬
スポーツ整形
山下 竜一
肩関節外科
山下 竜一
肩関節外科
下東 樹生
整形一般
★交替制
3診 大木 毅
脊椎外科
武井 聰
関節外科
新熊 孝文
スポーツ整形
大木 毅
脊椎外科
武井 聰
関節外科
4診 土井 照夫
整形一般
上松 正人
初診・脊椎外科
土井 照夫
整形一般
午後診 17:00~19:00
1診 若狭 柱燦
整形一般
秋津風 琢磨
整形一般
大木 浩
整形一般
近江 敬
スポーツ整形
2診 野村 興一
整形一般
近江 敬
スポーツ整形
山下 竜一
肩関節外科
山下/下東
整形一般
3診 新熊 孝文
スポーツ整形
武井 聰
関節外科
新熊 孝文
スポーツ整形
大木 毅
脊椎外科

専門分野 学会認定医等

氏名 専門分野 学会認定医等
大木 毅 整形外科全般
脊椎外科
スポーツ整形外科
外傷一般
医学博士
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 認定スポーツ医
日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医
武井 聰 整形外科全般
人工関節
外傷一般
日本整形外科学会 専門医
日本人工関節学会 認定医
大木 浩 整形外科全般
外傷一般
新熊 孝文 整形外科全般
スポーツ整形外科
外傷一般
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 認定スポーツ医
日本整形外科学会 認定リウマチ医
日本整形外科学会認定 運動器リハビリテーション医
日本医師会 認定健康スポーツ医
日本リハビリテーション医学会 認定臨床医
義肢装具等適合判定医
AO Trauma Japan上級会員
日本パラスポーツ協会公認障がい者スポーツ医
大阪府バスケットボール協会医科学委員
日本スポーツ協会 公認スポーツドクター
山下 竜一 整形外科全般
人工関節
外傷一般
日本整形外科学会 専門医
近江 敬 整形外科全般
スポーツ整形外科
外傷一般
日本整形外科学会 専門医
若狭 柱燦 整形外科全般
脊椎外科
外傷一般
 
秋津風 琢磨 整形外科全般
外傷一般
 
下東 樹生 整形外科全般
外傷一般
 
野村 興一
(非常勤)
整形外科全般
外傷一般
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 認定リウマチ医
土井 照夫
(非常勤)
整形外科全般
外傷一般
 
上松 正人
(非常勤)
整形外科全般
脊椎外科
外傷一般
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医

診療概要

外傷、脊椎外科、人工関節、スポーツ整形、再生医療など毎日手術を施行していますので、手術の待機期間は比較的短く早期の手術加療が可能です。

医師
常勤医師6名、専攻医3名
手術数
1,452件(2023年度実績)

整形外科の処置・手術

Surgical Results

外傷

切り傷や擦過傷などの軽傷から骨折や筋肉・腱・靭帯損傷、神経血管損傷などの重傷に至るまで整形外科専門医が治療を行います。
当科では外傷だけで年間約600件以上の手術を施行しています。

  • 手術待機日数を減らし、床上での安静期間を短くし、早期の社会復帰を目指す。
  • 24時間の救急体制をとり、緊急手術にも対応、小児の骨折に対しても迅速な対応をする。

9歳男児/転倒受傷

9歳男児転倒受傷

手外科

手の繊細な感覚と細かい正確な動きにより、我々人間は様々な知的・文化的活動を行うことができます。
したがって、その機能を失えば生活に著しい制限を受けることになります。

整形外科には手外科という上肢の専門的な治療を行う分野があり、失われた機能の回復に取り組んでいます。手の機能回復には手術だけではなく特別なリハビリテーション(ハンドセラピィ)が必要で、当科では専門の作業療法士が術前後の訓練を行うことでよりレベルの高い回復を目指しています。

1.手根管症候群

手のしびれで最もよくみられるものに手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)があります。
手根管とは手首の靭帯に囲まれたトンネルのことで、このトンネル内を走る正中神経という神経が圧迫されることによってしびれが生じます。40代以降の女性に多く発生し、更年期などのホルモンバランスの異常と関連があるとされています。

親指から薬指の親指側半分にしびれや痛みが生じ、夜中や明け方に症状が強くなるという特徴があります。さらに放置しておくと、親指の付け根の筋肉(母指球筋)がやせてボタンかけやつまみ動作が困難になってきます。

しびれは目には見えないため神経伝導検査という検査をすることで、その程度の評価や治療法の選択を行うことができます。

手根管症候群

治療法

軽症のものでは装具を用いた手首の安静やステロイドの注射により改善します。
中等度以上では手術が選択されることが多くなります。手のひらを小切開から靭帯を切離し手根菅を開放します。手術時間は15分から20分程度で、局所麻酔での日帰り手術で行います。
母指の付け根の筋肉が萎縮して長期間経つような重度のものでは回復が不良な場合があり、その場合は同時に腱移行術を行うことで早期の機能回復を得ることができます。

2.肘部管症候群

肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)は、小指と薬指の小指側半分にしびれが生じるのが特徴です。肘の内側を叩くとしびれが指先に走ります。さらに進行すると親指と人差し指の間や手背の骨の間の筋肉がやせ、骨が浮きでたようにみえます。指を伸ばしたり曲げたりはできますが、細かいつまみ動作は著しく困難になります。筋萎縮が続くと薬指と小指が曲がってくるかぎ爪変形をきたします。

尺骨神経は肘の内側の肘部菅というトンネルを走り、薬指小指の指先まで伸びています。肘の軟骨のすり減り(変形性肘関節症)や幼少期の肘周囲骨折などがあると発症しやすいと言われています。

神経伝導検査を行うことで重症度を判定することができます。

肘部管症候群

治療法

軽症のものでは薬の内服で経過をみます。しびれが続くものや筋萎縮があるものでは手術を行います。手術は、圧迫された神経を剥離し、位置を前方に移動させます。深部の筋肉や骨を触らないため術後の痛みはそれほどありません。
全身麻酔ですることが多いですが、伝達麻酔(上肢のみの麻酔)の日帰り手術も可能です。

肘部管症候群

3.腱損傷

ガラスや包丁などによる指の切り傷はよくあるケガですが、その傷が深いと、指を曲げる腱(屈筋腱)が断裂することがあります。完全に断裂すると自分で指が曲げられなくなります。治療は手術により腱を縫う必要がありますが、腱は癒着や再断裂を生じやすく、専門的な治療が必要になります。

腱損傷

治療法

断裂した腱は、筋肉の力で中枢に引き込まれていますので少し傷を延長し、腱を引き出してつなぐ必要があります。
手術後のリハビリテーションが重要で、3週間ギプスで固定を行う固定法と、術翌日から指を動かす早期運動療法があります。
特に早期運動療法を行う場合は、数日間は入院での専門的なリハビリを行う必要があります。ケガをして数週間以上経っていたり、皮膚の状態が悪い場合は腱の移植や移行、皮膚の形成などのさらに特殊な治療を必要とすることもあります。

4.母指CM関節症

瓶のふたを開ける、タオルを絞るなどの動作で親指の付け根に痛みが生じます。
親指の付け根のCM関節はよく動くため徐々に緩みを生じ、軟骨がすり減り、進行すると関節の亜脱臼がみられるようになります。

母指CM関節症

中高年の女性、非利き手に多いとされていますが、男性、両側性の方も多くみられます。

母指CM関節症

治療法

装具や鎮痛剤の内服による保存治療を行なっても痛みの改善がない場合、手術を行います。
手術療法には様々なものがありますが、当科では大菱形骨を切除し、長掌筋という腱を採取し、これを二重折りにし、作成した骨孔を通して小さな金属で固定する関節形成術を行なっています。従来よりも短期の固定期間での手の使用が可能となります。

母指CM関節症

脊椎外科

脊椎とは、いわゆる首と言われる頚椎、背中と言われる胸椎、腰といわれる腰椎、お尻といわれる仙椎、尾骨から成ります。こちらの脊椎機能障害の原因となるものは、外傷、変性、発育障害、腫瘍、代謝障害、先天奇形があります。これらの原因の急性発言や慢性経過から疼痛、感覚障害、運動障害、不安定性や変形が生じることとなります。治療法は、保存的治療と手術的治療があります。

当院では椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、脊椎圧迫骨折後偽関節、脊椎変形、硬膜内髄外腫瘍、脊髄症、靭帯骨化症、化膿性脊椎炎、外傷などに対して手術を施行しています。

手術法は低侵襲手術の顕微鏡手術、椎体形成術から変形矯正、外傷に対して固定術など様々な手術法を用い、個々の患者様に最適な手術を選択しています。入院期間は顕微鏡手術では4~5日、固定術などでは2~3週間の入院期間となります。術後のリハビリも重要で、早期社会復帰、再発予防のため、入院中だけでなく退院後のリハビリも行います。当科では年間約120件の脊椎手術を施行しています。

保存的加療の治療もしっかり行っています。近年、高齢化に伴う脊椎変形による腰痛、歩行障害を生じている患者様が激増しています。

保存的治療としては、消炎鎮痛剤、リハビリ、神経ブロック注射、装具療法などがあります。そして、これらの保存的治療に効果が得られない患者様には、手術的治療を行うこととなる訳です。

最も重要なことは、変形が完成する前にリハビリやコルセットで変形を予防することと考えています。当院では定期的な診察を行い、障害が進行しないようリハビリを行うなど予防医学にも力を入れています。

L3/4、4/5狭窄症

狭窄症

T12圧迫骨折後偽関節による脊髄円錐部不全麻痺

T12圧迫骨折後偽関節による脊髄円錐部不全麻痺

人工関節

身体には、沢山の骨があり、それぞれの隣接した骨の間に関節があります。大きい関節は、足関節、膝関節、股関節、手関節、肘関節、肩関節がありますが、これらの関節は慢性関節リウマチや加齢による変形性関節症によって疼痛、変形をきたすことが多く認められます

慢性関節リウマチや加齢にともなう軟骨の経年的変化によって疼痛や変形をきたし、特に荷重関節と呼ばれる股関節、膝関節、足関節に起こると歩行に障害が出てきます。

治療は、関節内注射、リハビリや装具療法などの保存的治療により症状が軽快される患者様が多いですが、これら保存的治療で症状の改善が認められない患者様には手術的治療を行うことになります。
手術的治療として、当科では人工関節置換術を行い、患者様に満足していただける成績をあげており、年間368例(人工骨頭を含む)の人工関節置換術を施行しております。

骨・関節外科手術件数

人工膝関節置換術

人工膝関節置換術とは、変形性膝関節症や関節リウマチによって傷んで変形した膝関節の表面を取り除いて、人工関節に置き換える手術です。

人工関節は、主に金属やポリエチレンなどでできており、関節の痛みの原因となっている部分を取り除くため、他の治療法と比べると「痛みを取る」効果が大きいのが特徴です。
人工膝関節置換術には大腿骨部、脛骨部、膝蓋骨部すべてを置き換える全置換術と関節表面の傷んでいる部分だけ(内側、外側、または膝蓋骨部のみ)置き換える部分置換術があります。

部分置換術では通常の人工関節に比べ小さなインプラントを用いるため、一般的に皮膚の切開や骨の切除量が少なくなります。侵襲が少ないため身体への負担を軽減しスムーズなリハビリテーションや早期の回復が期待されます。また、靭帯バランスを温存するため自然な動きを再現でき術後の可動域も良く患者様の満足度も高くなっております。

当院では部分置換術を積極的に行っており、少ない侵襲で超高齢者や持病をお持ちの患者様でも安心してできる治療を行っております。

膝人工関節手術件数
膝人工関節
年間239件中 部分置換127件(53%)・・・2018年度 実績
年間229件中 部分置換133件(58%)・・・2019年度 実績
人工膝全置換術
膝に関節が全体的に傷んでいる場合

人工膝関節全置換術

大腿骨・脛骨の関節面、及び膝蓋骨・大腿骨の関節面を人工関節に置き換える方法です。

一般的には前十字靭帯を温存する手術と、切除する手術があります。変形の度合いによって選択します。
手術翌日から疼痛に合わせて歩行練習、可動域練習を行い、一般的には手術後3週間から4週間程度で独歩・階段昇降が可能になり退院されます。

また手術ではナビゲーションシステムを使用し、より正確な人工関節の設置を行うようにしています。高度の変形性関節症の患者様が対象になります。

全置換型全置換術・全置換型
人工膝関節全置換術

人工膝関節部分置換術

大腿骨・脛骨関節面の内側又は外側の関節面のみを人工関節に置き換える方法です。

単顆型人工関節置換術(UKA)
膝関節の内側、外側いずれかの関節面が傷んでいる場合
部分置換型部分置換術・部分置換型
人工膝関節部分置換術
膝蓋大腿骨関節置換術(FPA)
大腿骨・脛骨関節面の関節面のみを人工関節に置き換える方法です。
膝蓋大腿関節置換術膝蓋大腿関節置換術
膝蓋大腿骨関節置換術

スポーツ整形

膝関節のスポーツ外傷である前十字靭帯損傷と半月板損傷の手術を行っています。前十字靭帯は関節の中の靭帯なので、切れたら元通りにつながらないと言われています。そこで、手術の方法としては健常部分から腱を採取し、それを新しい靭帯として使用する、靭帯再建術を行っております。

半月板損傷は可能な限り縫合術を行い、半月板の温存に努めております。日本人に多い円板状半月板に対しては、正常な半月板の形状に近づける関節鏡視下半月板形成縫合術を行っております。膝蓋骨脱臼に関しても靭帯の緩みが原因で生じているため、内側膝蓋大腿靭帯の再建術を行っております。

また、膝関節だけでなく、足関節(足関節外側靭帯損傷、足関節インピンジメント症候群、三角骨障害、距骨骨軟骨損傷)、肩関節(腱板断裂、インピンジメント症候群、拘縮肩、反復性肩関節脱臼)に対しても小さい傷あとで治療を行える、低侵襲な関節鏡手術を積極的に行っております

膝、肘、足関節の離断性骨軟骨炎、軟骨損傷に対しても自家骨軟骨移植、自家培養軟骨移植や、PRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)といった治療法を行っております。初期の変形性膝関節症に対しては、O脚を伴う半月板変性、軟骨損傷に対して半月板手術だけでは不十分な場合もありますので、高位脛骨骨切り術を併用しています。

また、現在最も力を入れているのはスポーツ愛好家からアスリートまでのすべての方の障害予防と早期発見・早期治療であります。
リハビリテーション科や、トレーニングジムS.C.A.と協力し、スポーツ復帰される患者様が増えてきております。

関節鏡手術

前十字靭帯再建術(ACL再建術)

前十字靭帯(ACL)は、大腿骨と脛骨を膝関節の中で結ぶ強固な靭帯であり、膝の前後の安定性だけなく、ひねりに対しても重要な働きをもち、球技や格闘技、陸上競技など俊敏な動作が求められるスポーツでは特に重要とされています。この靭帯は一度損傷すると元通りにつながることはありません。

従来、スポーツを行わない方の場合、ACL損傷は放置しても日常生活では困らないとされてきましたが、最近の研究では、2次的に生じる半月板損傷や軟骨損傷、将来的な変形性膝関節症への進行が問題視されており、再建手術による機能回復が標準的な治療法となってきています。

手術の方法としては健常部分から腱を採取し、それを新しい靭帯として使用します。実際には、個々の患者のニーズに応じ、膝の前の骨と腱(膝蓋腱)や大腿部内側のハムストリング腱(半腱様筋、薄筋)や大腿四頭筋腱を利用します。

ハムストリング腱や大腿四頭筋腱
ACL損傷膝・靭帯再建膝

手術翌日から車いす、松葉杖を使用してリハビリ開始します。ニーブレスを1週間装着後、可動域訓練を行います。術後4週間は松葉杖歩行です。ジョッギングは3か月から、ダッシュは6か月以降です。

再建靭帯の成熟には時間がかかるため、膝の動き、筋力が改善しても運動に耐えられません。よってスポーツ復帰は6~8か月になります。

半月板縫合・切除術

半月板は膝関節の内側・外側にある三日月型をした軟骨様の組織で、大腿骨から脛骨への荷重の集中を防ぎ、緩衝材としての役割をはたしています。

膝半月板損傷は比較的多いスポーツ外傷の一つで、前十字靭帯損傷に合併することもよくあります。半月板損傷に伴い、膝の曲げ伸ばし、階段昇降等で痛みやひっかかりを起こす場合があります。重症になると、半月板が挟まりこんで膝が屈伸できなくなる「ロッキング」を起こし、生活に支障がでます。

以前は、半月切除術が主な治療法とされていましたが、半月切除後に長期間経過観察すると比較的早期に変形性膝関節症に進行することから、当院では可能な限り損傷した半月板を温存する治療を目指しています。

また、損傷した半月板の治癒促進のため、骨髄血を用いたフィブリンクロット(組織修復因子を豊富に含んだ血餅)骨髄刺激法(マイクロフラクチャー)を併用して縫合術を行っています。

スポーツ復帰までの期間は、半月切除術で術後2~3ヶ月、縫合術では術後4~6ヶ月のリハビリが必要です。

半月板縫合
血餅フィブリンクロットを充填合した半月板
円板状半月板
半月板後根損傷

膝蓋骨脱臼(反復性・習慣性)

膝蓋骨脱臼をするひとは生まれつき脱臼素因を持っていることが多く、膝蓋骨や大腿骨の形態、位置の異常、大腿四頭筋の作用する方向と膝蓋腱の方向がずれている事などが報告されています。

一度、脱臼すると繰り返すようになる事が多く、そうなると反復性膝蓋骨脱臼と呼ばれます。

ほとんどの症例で膝蓋骨は外側へ脱臼します。初回脱臼では膝の強い痛み、脱臼回数が多くなるとお皿がずれているような違和感、不安感を感じます。

当院では、自分の膝屈筋腱(ハムストリングス)の一部を用い、膝蓋骨と大腿骨をつないでいる内側の靭帯を再建する、世界で最もスタンダードに行わていてる方法で手術を行います(内側膝蓋大腿靭帯再建術:MPFL再建術)

大腿骨に孔をあけ(骨孔)、その中に移植腱を通し、膝蓋骨を外側に脱臼しないようにとめるバンドを作る手術です。これらにより、膝蓋骨の安定感が得られ、再脱臼の可能性を低く抑えることができます。

適切な手術法の選択により、より良く日常生活動作やスポーツ復帰が可能となります。スポーツ復帰までの期間は、約6ヶ月のリハビリが必要です。

膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼

高位脛骨骨切り術

変形性膝関節症に対して、ヒアルロン注射や理学療法を3か月程度行っても改善しない場合、外科的治療が選択肢となってきます。手術には、大きく分けて、骨切り術と人工膝関節置換術という2つの方法があります。

骨切り術というのは、膝関節の変形している場所の骨を切って角度を矯正し、軟骨が残っている方に荷重軸を移動させることで、自分の関節を温存しつつ変形や痛みを改善します。

人工膝関節置換術では手術後は、軽度なスポーツ(ジョギングやハイキング)程度に活動レベルを制限せざるを得ませんが、骨切りの術後では、自分の組織を温存することで、マラソンや登山など、強度の高い運動への復帰も期待できます。

一方で、骨が癒合するまで痛みが多少続くこと、機能回復にはリハビリをしっかり行うことが必要です。

当院では、脛骨の内側から外側に向かって骨を切り、内側を開いて矯正する「内側開大式高位脛骨骨切り術(OWHTO)」を主に行っています。

これまでは、人工膝関節しか選択肢がなかった人が骨切り術で治療を受けられ、自分の膝を残しながら運動強度を保ちつつ、元の生活に戻ることが可能です。

脛骨骨切り
脛骨骨切り

再生医療

骨軟骨移植(モザイクプラスティー)

膝関節の中でも後遺症を残しにくい部分(大腿骨滑車部)から、自分の正常な軟骨を骨ごと採取し、これを膝関節や肘関節の軟骨が損傷した部位に移植する方法です。

自家培養軟骨移植

自分の軟骨組織の一部を採取し、これを適当な培地及び培養基材と共に培養することによって試験管内で軟骨組織を再生させ、これを損傷部位に自家移植する方法です。

自家培養軟骨移植自家培養軟骨移植

PRP(Platelet Rich Plasma:多血小板血漿)療法

慢性(難治性)腱炎・腱付着部炎

  • 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)、膝蓋腱炎(ジャンパー膝)
  • アキレス腱障害(アキレス腱炎・腱周囲炎)、足底腱膜炎

その他

  • 変形性関節症、半月板損傷、肩関節周囲炎、腱板損傷、肉離れ(筋不全断裂)
  • 靭帯損傷、難治性骨折など

PRP治療の流れ

  1. 患者様の血液を30ml~32ml採取します。
  2. 遠心分離機に2回かけてPRP(多血小板血漿)のみを取り出します。
  3. PRPを患部周辺に注入します。

PRP治療PRP療法

整形外科に関するコラム

対象:前十字靭帯損傷や半月板損傷など
関節鏡視下手術は、直視下手術(従来の切開する手術)に比べて手術創が小さく低侵襲で、術後の疼痛が軽減されます。さらに手術創が小さいことで膝関節周囲筋肉の機能を低下させる可能性が少なく、スポーツの復帰が早いという話もあります。 …詳細を見る
対象:テニス肘やアキレス腱炎・腱周囲炎など
患者様のご自身の血液から得られるPRP(多血小板血漿)を患部に注射する治療です。このPRPの力が、人の本来持っている治癒能力や組織修復能力、再生能力を最大限に引き出し、傷んだ関節軟骨や靭帯などの治癒を促すと考えられています。  …詳細を見る