糖尿病(1)-1 糖尿病について
糖尿病ってどんな病気?
今回はこれをテーマにお話ししたいと思います。
日本糖尿病学会が示している糖尿病の定義を見てみると、「インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主張とする代謝疾患」と書かれています。
しかし、これは非常に専門的で難しいので、簡単に言い換えるとこうなります。「いつでも血糖値が高い状態が続いている」・・・これなら簡単に理解できそうです。
では、血糖値が高くて何が問題となるのか?
ずばり、糖尿病が原因でいろいろな症状(合併症)が出てくることにあります。
合併症の詳しいお話しは次回にさせていただきますが、簡単に言いますと以下の4つが代表的になります。
- 眼の病気:糖尿病網膜症
- 腎臓の病気:糖尿病性腎症
- 神経の病気:糖尿病神経障害
- 血管の動脈硬化:心筋梗塞、脳梗塞、下肢の血管閉塞など
これらの合併症は糖尿病が発症してから10年以上経過した頃に出現してきます。
そのため、糖尿病初期の段階から治療することが重要となってきます。
しかし、ここで問題があります。それは最初の頃には糖尿病は症状がないということです。
ここにいくつかの代表的な糖尿病の症状を挙げたいと思います。
こんな症状が出現したら糖尿病の可能性が強くなってきます。
しかし、先ほどお話ししたように初期では無症状の事も多いです。
しかし、無症状でも糖尿病の合併症は進行していきます。
それは、非常に怖い事ですね。そのため、糖尿病は「サイレント・キラー」とも言われます。
では、糖尿病の診断はどのように行っていくのでしょうか。
それは、血液の検査で分かります。(血糖値測定とHbA1cを測定しましょう。)
常に血糖値が200mg/dlを超えている場合や、食事をせずに空腹の状態で採血を行った場合に血糖が126mg/dl以上の時は糖尿病の可能性があります。
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)はその日の食事の有無に関係なく1~2ヶ月の血糖の状態を知ることができるので、糖尿病の診断や血糖コントロールが行えているかの指標として使われています。日々の血糖値が高くなればHbA1cの値も徐々に上昇してくることになり、HbA1cが6.5%以上ある場合は糖尿病の可能性があります。
糖尿病の症状、検査、診断に至るまでのお話しをさせていただきました。
次回は糖尿病に伴ういろいろな症状(合併症)に関してお話ししていきたいと思います。